WORKS / イソップ 京都高島屋S.C.

主要用途: 物販店舗

施工: D.BRAIN

クレジット: 照明計画: BRANCH LIGHTING DESIGN

所在・会場: 京都高島屋

延床面積: 73.59m2

設計期間: 2022.2-2023.4

施工期間: 2023.4-2023.5

写真: Courtesy of Aesop, Norihito Yamauchi

ウェブサイト:  http://www.aesop.com/

オーストラリアのスキンケアブランド イソップの、京都髙島屋内装計画。間口9m、奥行き7mでファサードの左右に躯体柱をもつ空間が計画地となった。

かつて漫画家の谷口ジローが「歩く人」で繊細に表現した、日常風景を切り取る視点にインスピレーションを受け、京都の街中の風景に着目した。同店がオープンする秋は、京都が紅葉で彩られる季節である。イチョウのある通りでは鮮やかな黄金色の葉が絨毯のように地面を覆い、街の様子を一変させる。この景色に着想を得て、床面には紅葉したイチョウを思わせる黄金色のカシミアのカーペットを敷き詰めた。壁面や天井は床を引き立たせるように彩度の低い色にすることによって、明るい共用部からも切り離され、空間に落ち着きを与えている。商品棚はイチョウの太い幹を思わせる濃い色調に染色されたラワン積層合板を用い、方立てをセットバックさせることによって、並べられた商品の水平ラインが際立つ構成としている。シンクなど什器の一部に使われる真鍮は、黄金に染められた空間の中でより輝きを放つ。
柱や壁のコーナーの丸み、中央シンク正面にせりだす真鍮の丸い側面、エンスウィートシンクの鏡、円形のベンチや香水を体験するインフュージョンチャンバーの半円のニッチなど、ところどころに現れる円形のラインが空間に柔らかい印象をあたえている。

モノトーンの共用部に対して、色彩で空間を印象づけ、季節の一瞬を切り取った風景のように、人々の記憶に残るような店舗を目指した。