TORAFU ARCHITECTS

総合物流企業の本社オフィス移転計画。皇居に面する約800㎡のフロアに、前オフィスの開放感を引き継ぎ、社員同士のコミュニケーションを促すオフィスが求められた。

エントランスから入って正面に、眼下に皇居を一望できる景色の良いラウンジスペースを設け、来客にも立地の良さが体感できるように考えた。そのラウンジを中心に、執務スペースや会議室、役員スペースなどの諸室をその周縁に配置することで、見通しの効く伸びやかで開放的な空間としている。 ラウンジは、来客時の応接、打合せ、執務等の多様な活動が行われる広場のようなスペースである。所有する美術品の台座、植栽の鉢を家具のように扱い、オフィスに溶け込むようにデザインした。 フロアスタンドの照明も台座に乗せ、それらを空間に点在させることで、美術品と共存するオフィスをつくりだした。
照明は、ラウンジと動線をダウンライトの柔らかな光で計画し、また、廊下の奥には絵画や彫刻を配置しつつダウンライトで照明を落とし、突き当りの暗がりや閉塞感を軽減する配慮をした。8ｍ程の長さの光幕天井のボックスの下にはドリンクをサーブするカウンターを設け、柔らかい光の中で社員同士の自然なコミュニケーションがうまれるように考慮した。

眼下の皇居への眺望を背景に、什器や美術品、照明、植栽が織りなす彩り豊かで、開放的なオフィス空間を実現した。