WORKS / チェルフィッチュ「三月の5日間」リクリエーション
主要用途: 舞台美術
製作: 一般社団法人チェルフィッチュ,KAAT神奈川芸術劇場
クレジット: 作・演出:岡田利規
出演:朝倉千恵子、石倉来輝、板橋優里、渋谷采郁、中間アヤカ、米川幸リオン、渡邊まな実
技術監督:鈴木康郎
照明:大平智己(ASG)
音響:牛川紀政
衣装:藤谷香子(FAIFAI)
演出助手:犬養真奈
英語翻訳:アヤ・オガワ
主催:KAAT神奈川芸術劇場
企画制作:株式会社precog
所在・会場: KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
設計期間: 2017.7-2017.11
施工期間: 2017.11
会期: 2017.12.1-12.20
写真: 前澤秀登
ウェブサイト: https://chelfitsch.net/
チェルフィッチュ設立20周年の節目に、2004年の初演から100回以上世界各国で上演されてきた代表作『三月の5日間』が、俳優を含め一新してリクリエーションされ、その舞台美術を担当した。『三月の5日間』は、アメリカ軍がイラクに向けて空爆を開始した、2003年3月の5日間における東京の若者たちを描く。
俳優は、登場人物の主観で語るのではなく、彼らから聞いた話を、人称を入れ替えながら、観客に向けて説明するように語る。舞台上が渋谷のラブホテルや交差点、あるいは六本木に見えたりと、役者の言葉と動きによって、捉え方が変わるような舞台美術が求められた。
床面には、中心から90度の角度で白いビニールテープを等間隔に貼った。単なる白線から横断歩道が見えたり、白線で区切られた舞台がホテルの壁に見えたり、何もないようにふるまう役者の自由な動きから存在感がなくなったり、白線が自在に変化していく。
渋谷の大型ビジョンやホテルの天井を思わせる、字幕の流れる舞台中央に吊られた巨大な箱は、存在自体が戦争の不穏な空気を感じさせる。
2017年の舞台上に、最小限の要素で2003年3月の東京を立ち上がらせることを目指した。