WORKS / DDGA

主要用途: 物販店舗

所在・会場: 東京 青山

設計期間: 2008.10-11

ディーゼルギャラリーのコンクリート躯体の中に、鉱石のような物体を挿入する。

1.5階に挿入されたこの物体は、吹き抜けを介して、機能的にも、空間的にも分断されがちな1階のショップと2階のギャラリーとを連続する共通の存在となる。店内に居るものにとっては、氷山の一角を見ているように、一部分しか見えないため視線の移動を促し、階ごとに完結しない空間的な広がりを与えている。

結晶のようにも、家の様にも見える多彩な表情を持つ物体は、塩ビパイプを繊維のように、一定の方向を保って積み上げてつくられている。その無数の微細な孔の集積が、外の景色を無数の像の集合へと変換し、正対したときにだけ透けて見える不思議なスクリーンをつくり出す。そして、陽が落ちてくると、逆に店内の明かりが外側へと漏れ出し、結晶のように輝き始める。

荒々しさと繊細さを同時に持つ、ディーゼルの多面的なイメージから、場所や距離感によって様々な見え方、機能を許容する多面体のある空間を提案する。