WORKS / トラフのオバケ屋敷は“化かし屋敷” (東京都現代美術館 2013)
主要用途: 展示
設備設計: 遠藤照明(照明)
施工: イシマル
クレジット: 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
所在・会場: 東京都現代美術館「オバケとパンツとお星さま」展
延床面積: オバケ屋敷:173.9m2/目玉橋:87.2m2
設計期間: 2012.10-2013.06
施工期間: 2013.06.20-27
会期: 2013.06.29-09.08
写真: 吉次史成/後藤武浩
ウェブサイト: http://www.mot-art-museum.jp/
東京都現代美術館で開催された夏のこども向け展覧会「オバケとパンツとお星さま」の展示作品。
この展覧会は、「はしらない」「さわらない」「さわがない」という、普段の美術館では禁止されている振る舞いを許容することで、美術館での鑑賞ルールを逆説的に意識してもらうというコンセプトのもとに開催され、その中でトラフは「オバケ屋敷」を担当することになった。
終わりの見えない延々と続く廊下や、まるでこちらが見られているかのような肖像画など、美術館の特徴は見方を変えれば怖さを演出する要素も持っている。そこで、額縁のたくさん飾られた美術館の展示室のような空間を、オバケ屋敷にできないかと考えた。壁に掛けられた絵画は何の変哲も無いように見えるが、絵の中の人がこちらを見つめてきたり、絵の顔が突然入れ替わったり、奇妙なことが起こり始める。実は額縁の裏側には、鑑賞者を驚かす仕掛け部屋がある。このオバケ屋敷では、「化かされる」鑑賞者であるだけではなく、仕掛け部屋に入った途端に今度は「化かす」仕掛人になって、額縁の向こう側とこちら側で、役割を入れ替えることができる。ただ驚かされるだけではない、もっと能動的に関わり、想像力をかき立てられるような“化かし屋敷”を目指した。
“化かし屋敷”を出て次の展示室へと続く“目玉橋”と名づけたブリッジでは、特殊印刷された目玉のステッカーを一面に貼った空間が出迎える。側を歩くと止まっているはずの目玉たちが自分を追いかけてくるように見え、見ているものの背後にある存在を感じさせる展示空間である“化かし屋敷”の奇妙な世界と呼応する。