WORKS / リング パーキング
主要用途: 駐輪場
施工: 月造
所在・会場: 神奈川 川崎
延床面積: 90m2
設計期間: 2006.07-10
施工期間: 2006.11
写真: 渡辺慎一
川崎にあるマンションのエントランス周りのリノベーション計画。エントランスそのものにはほとんど手をつけず、自転車・バイク置き場を計画した。エントランス周りは住民の自転車であふれてしまっていた。そこで、長い間空室となっていたエントランス横のスペースを自転車置き場+有料のバイク置き場として機能を与え、この駐輪スペースに重点を置いて設計することで、マンションに新しい価値を与えることができるのではないかと考えた。
このスペースは以前テナントであったため、床・壁・天井は何度もの改装を経て壁面の凹凸が激しく、最低限左官で均す必要があった。また既存の柱型や梁型がとても目立つ空間であったことから、その左官仕上げの上に型を押し付けて、空間内をすべて同じパターンで包み込んでしまうように考えた。このスペースを道路の延長と捉えることができるように、道路の滑り止めリングをその記号性に注目し、空間を覆うパターンとして採用した。
「真空リング工法」による型押し作業は、規格化されている硬質ゴム製のリングを、規定のピッチに切り欠いたジグにあてがってモルタル面に押し付けていく。照明は、バイクのヘッドライトをイメージし、通常は天井に埋め込むダウンライトをむき出しで使用している。
普段床仕上げとして見慣れている滑り止めリングに覆われた空間は、方向性のない広がりを持ち、非日常的な場を作り出している。