浴室空間をエンターテイメント性のある、もっと楽しめる場所として
捉え直すことはできないだろうか。
どしゃ降りの雨の中を裸になって走り回りたくなる衝動。
その雨でできた様々な形の水溜り。
水中に潜って上を見上げた時の頭上に揺らぐ水面のきらめき。
自然環境の延長としての浴室空間を考えた。
この浴室空間はどこにいてもシャワーを浴びることができる。集中豪雨のように、局所的に雨を降らせて浴槽にお湯を溜めたり、二人でお風呂に入るときはやわらかいスクリーンの役目をしたり。水中植物が群生する海底のように起伏のある床面は、所々に水溜りをつくり、深いところは湯船になったりもする。水平のレーザー光による照明は、天井面から降ってくる水滴にあたって発光し、仮想の水面を作り出す。仮想の水面下にはさらに浴槽があり、湯船に浸かりながらも水中に潜っているかのように、頭上にもうひとつの水面が揺らいでいる。
どしゃ降りの雨や、海に潜るときなど、自然環境での体験や現象を浴室空間に持ち込む。そうすることで日常生活の中で、お風呂の時間がより豊かなものになればと思っている。
Principle use: Bath
Design period: 2008.08-10